2016年8月某日。
深谷秀隆氏が作るビスポーク靴・イルミーチョの仮縫いに
イタリア・フィレンツェまで行ってきました。
オーダーしたのが2015年9月なので約1年が経過しましたね。
1枚目の写真ではお店のシャッターが下りていますが、
もちろん、その日はアポイントメントをとっていたので開いていました。
店に入ると
深谷さんとの挨拶もそこそこに
用意されていた仮縫いのシューズを履いて歩くこと数歩。
テクテク。
てくてく。
お店の中を静かに巡回。
そして何ミリラストを削るなどの、
細かいマーキングをされます。
ここでひとつ疑問に思ったことがあり
素直に聞いてみました。
この仮縫いのシューズでもそうでしたが、
内羽根の靴で羽根が完璧に閉じていたことについてです。
自分の浅く狭い革靴ヒストリーでは
内羽根の靴の羽根は完璧に閉じないのがベストだと思っていました。
ですよね?
たしか教科書にはそう書いてありました。
たぶん。
つまり、少し羽根が開いていることが正解で
完璧に閉じたり、開きすぎたら不正解と。
でも、その疑問に深谷さんからは
「羽根が開いていることが、かっこいいという考え方は英国的な考え方」
とのご回答をいただきました。
そうなんやと初めて知りました。
自分が思うに
恐らく深谷さんは
自身が作っているビスポークシューズは
ぴったり、そして完璧に作っているわけだから
羽根でフィッティングを調整する必要はない、
なので羽根が開いている必要はない、
ということではないでしょうか。
またひとつ勉強になりました。
そして完成品としては
最初は少し羽根が開いていて
履き込んでいったら完璧に閉じるとのことです。
たしかにインスタグラムなどで
イルミーチョの靴を履いている人を見ていると
完璧に羽根が閉じている人が多いです。
ちなみに今回の仮縫いですが
いろいろ深谷さんと話ができて楽しかったです。
異国のイタリアはフィレンツェで
ilmicioのブランド価値を高めて、
作品を作って、
弟子を雇って、
税金を払って、
誰にも負けない世界一の靴を作る。
たくさんの話をした中で
職人としてのプライドを感じることができました。
靴そのものの完成は年内だと思うので、
できるだけ早く手にして、またレポートします。
まだ1足目もできていませんが、
お店でショーケースのサンプルを見ていると
2足目もほしくなりました。
ダークブラウンのチャッカブーツとかいいですよね。
気が早いか。