イタリア・フィレンツェを拠点に活動する
鞄メーカー・Saic(サイク)のボストンバッグが完成しました。
先日の大阪トランクショーで受け取りました。
2019年5月にオーダーし、
本来ならば20年5月のトランクショーで受け取る予定でした。
しかし、コロナ禍のためにトランクショーは中止。
よって半年ほど遅れての納品となりました。
こればかりは仕方ありません。
台形の横幅は45センチ。縦は35センチ。奥行きは22センチ。
これぐらいのサイズになると2泊3日は余裕です。
ジップがかなり下まで降りるので、大きい荷物の出し入れも大丈夫。
革はフレンチカーフだったと思います。
かなりしっかりとしたものなので重さは2キロ。
この持ち手のデザインがSaic(サイク)の特徴のひとつでしょうか。
下に尖っているところですね。
すみません。語彙力がゼロなもので、なんと表現していいかわかりません。
まあ、つまりいい感じです。
完成品を受け取ったときの印象は
「あれ?これオーダーしたっけ?」
注文時は基本的なところだけを指定したので
完成イメージみたいなものが自分の頭の中にありませんでした。
内側の細かい仕様含めて、
ほとんど職人さんのセンスにお任せでした。
ビスポークというと、いろいろ相談する方法もありますが、
自分は形と色ぐらいです。
ここの持ち手を少し長く…なんて絶対に言わないですね。
「その長さはその長さに至った理由が300行ぐらいある」と考えています。
基本的には提案してもらって
「じゃ、それでお任せします」と決めていきます。
昔は靴のオーダーにしても
いろいろと細かいことまで口出しをしていたと思います。
もちろん、その方法も間違いではないでしょう。
ビスポークの楽しい部分でもあります。
ただ、自分にはそのやり方は合ってなかった。
根本的なところですが、自分のことを信用していないわけです。
どう考えたって、自分よりも職人のほうが
作りやデザインにおいて考え抜いています。
そうでなければ、そもそも注文しませんし。
よって職人が考えることよりも、
自分のほうがいい提案ができるわけないなと
どこかの段階で気づきました。
ただ、そんな豆腐みたいな軟弱な客ばかりだと
職人のほうも退屈するかもですが。
ま、とにかくこの鞄を片手に
いろいろな場所を訪れたいなと。
もちろん、この鞄は機内に持ち込みます。
最後の写真は演出です。